アスベスト基礎知識

アスベストレベル3の安全な撤去方法|正しい作業手順を徹底解説!

アスベスト レベル3の撤去作業を検討している方の中には、「作業手順を間違えると危険なのでは?」「飛散を防ぐにはどうしたらいいの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

安全に撤去を進めるためには、事前の準備、必要な装備、適切な撤去手順、そして作業後の処理方法をしっかりと徹底することが重要です。間違った方法で作業を行うと、周囲への影響が広がるリスクもあるため、適切な対策を講じることが求められます。

この記事では、アスベスト レベル3の基本的な知識から、安全な撤去作業の手順、法律に基づいた適切な対応方法まで詳しく解説します。作業時のリスクを軽減し、予防するためのポイントをわかりやすくご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

アスベスト レベル3とは?特徴とリスクを解説

ここでは、アスベスト レベル3の定義と健康リスクについて詳しく解説します。

アスベストのレベル区分とレベル3の定義

アスベスト(石綿)は、飛散しやすさや健康リスクの違いによってレベル1・レベル2・レベル3の3つに分類されます。これは、作業の危険度や除去時の対策の必要性を判断する基準として使用されており、それぞれのレベルごとに適切な処理方法が求められます。

レベル1(最も危険な分類)
レベル1は、吹き付けアスベストが使用されている建材が該当します。吹き付け材はアスベストの含有率が高く、繊維が非常に飛散しやすいため、除去作業には厳格な対策が必要です。作業には密閉空間の設置負圧除じん装置の使用が義務付けられています。

レベル2(飛散リスクが高い建材)
レベル2に分類されるのは、保温材・断熱材・耐火被覆材などのアスベストを含む製品です。これらは吹き付け材ほどではないものの、削ったり壊したりすることで粉じんが発生しやすいため、取り扱いには慎重な作業が求められます。

レベル3(比較的飛散しにくい建材)
レベル3は、成形されたアスベスト含有建材が該当します。代表的なものに、スレート板、波型スレート、ケイカル板、ビニル床タイルなどがあります。これらはアスベストが強固に結合しているため、通常の状態では飛散しにくいですが、切断・破砕などの加工をすると粉じんが発生するため、適切な作業手順が必要になります。

レベル3の撤去作業では、飛散を最小限に抑えるために湿潤化(表面を水で湿らせる)や防じんマスク・作業服の着用などが推奨されています。適切な処理を行わないと、作業者や周囲の人に健康被害を及ぼすリスクがあるため、安全対策を徹底することが重要です。

レベル3のアスベストが及ぼす健康リスク

アスベスト レベル3に分類される建材は、通常の状態では繊維が飛散しにくいため、直ちに健康被害を引き起こすわけではありません。しかし、切断・破砕・研磨などの作業を行うことで、微細なアスベスト粉じんが発生し、吸入するリスクが高まります。

《長期的な健康リスク》
アスベストを吸い込むと、数十年後に健康被害が現れる可能性があります。特に、以下のような疾患のリスクが指摘されています。

・中皮腫
アスベストが原因で発症するがんの一種で、胸膜や腹膜に腫瘍ができる病気。長い潜伏期間(20〜50年)を経て発症することが特徴。
・肺がん
アスベスト粉じんを長期間吸い続けることで、肺がんの発症リスクが高まる。喫煙者はさらに危険性が増すとされている。
・石綿肺(アスベスト肺)
肺にアスベストの繊維が蓄積し、肺が硬くなる病気。進行すると呼吸困難を引き起こす。

《短期的な影響と作業時の注意点》
短時間の作業でも、大量のアスベスト粉じんを吸い込むと、のどの痛み、咳、息苦しさなどの症状が現れることがあります。特に適切な防護対策を取らずに作業を行うと、知らず知らずのうちに大量の粉じんを吸い込んでしまう可能性があるため注意が必要です。

アスベスト レベル3の撤去に必要な準備

ここでは、撤去作業に必要な道具や装備、安全対策と飛散防止策について詳しく解説します。

撤去作業に必要な道具と装備

アスベストレベル3の撤去作業では、粉じんの飛散を防ぎ、作業者の安全を確保するために適切な装備と道具が必要です。

1. 防護装備(作業者の安全対策)
・防じんマスク(P3フィルター推奨):アスベスト粉じんの吸入を防ぐ。
・防護服(使い捨て不織布製):衣服への付着を防ぐ。
・手袋・靴カバー:作業後の汚染拡大を防止。

2. 飛散防止・撤去用の道具
・噴霧器(水撒き用):作業前後に湿潤化し、粉じんの飛散を抑える。
・養生シート・テープ:作業エリアを覆い、周囲への拡散を防ぐ。
・HEPAフィルター付き掃除機:通常の掃除機は使用せず、専用機器で粉じんを除去。

3. 廃棄処理用具
・厚手のビニール袋(2重密封):撤去した建材を密封し、安全に廃棄。
・「アスベスト含有」表示ラベル:誤廃棄を防ぐため、適切に管理。

事前の安全対策と飛散防止策

アスベストレベル3の撤去作業では、作業者の健康を守り、粉じんの飛散を防ぐための事前準備が不可欠です。安全対策を徹底することで、健康リスクや法的トラブルを防ぐことができます。

1. 事前の安全対策
・作業計画の策定:撤去対象のアスベスト含有建材を確認し、安全な作業手順を決める。作業エリアを特定し、飛散対策を検討。
・防護装備の準備:作業者は防じんマスク(P3フィルター推奨)、防護服、手袋、靴カバーを着用し、粉じんの吸入や衣服への付着を防ぐ。
・作業エリアの管理:作業エリアを明確に区分し、「立入禁止」表示を設置。無関係者が誤って侵入しないよう対策を行う。

2. 飛散防止策
・養生と密閉作業:作業エリアをビニールシートで覆い、養生テープでしっかり密閉。窓や換気口も塞ぎ、粉じんの拡散を防ぐ。
・湿潤化処理:撤去作業の前後に噴霧器で水を散布し、建材を湿らせることで粉じんの飛散を抑える。作業中も適宜湿潤化を続ける。
・適切な撤去方法:破砕や切断を極力避け、できるだけ原形を保ったまま慎重に取り外す。衝撃や振動を与えないよう注意しながら作業する。

アスベストレベル3の安全な撤去方法【手順解説】

ここでは、撤去作業の流れと注意点や違反を防ぐポイントについて詳しく解説します。

作業の流れ(準備・撤去・後処理)

アスベストレベル3の撤去作業は、事前準備・慎重な撤去・適切な後処理の3つのステップを徹底することで、安全に進めることができます。

1. 準備(作業前の安全対策)
・防護装備の着用
作業者は防じんマスク(P3フィルター推奨)、防護服、手袋、靴カバーを装着し、粉じんの吸入や衣服への付着を防ぐ。
・作業エリアの養生
ビニールシートで作業場所を覆い、養生テープでしっかり密閉。窓や換気口も封鎖し、粉じんが外部に漏れないようにする。
・湿潤化処理(粉じん飛散防止)
噴霧器などで建材を湿らせ、乾燥状態での作業を避ける。作業開始前に十分に水を含ませることで、粉じんの発生を抑える。

2. 撤去(安全に建材を取り外す)
・破損を避け、慎重に撤去
衝撃や振動を最小限に抑えながら、できるだけ原形のまま取り外す。切断や破砕は粉じんの飛散リスクを高めるため、最小限にする。
・湿潤化を継続
作業中も定期的に水を撒き、建材の乾燥を防ぎながら作業を進める。
・撤去した建材の密封
取り外した建材は、厚手のビニール袋に入れ、二重に密封。「アスベスト含有」と明示し、飛散防止対策を徹底する。

3. 後処理(清掃と廃棄処理)
・作業エリアの清掃
HEPAフィルター付きの専用掃除機を使用し、粉じんを徹底的に除去。通常の掃除機は使用不可。
・防護服・手袋の処分
使用済みの防護服や手袋は適切に密封し、アスベスト廃棄物として処理。作業後はエアブローせず、シャワーで粉じんを完全に洗い流す。
・廃棄物の適正処理
認可を受けた処分業者に廃棄を委託し、自治体のルールに従って処分。マニフェスト制度に対応している業者を選ぶと安心。

撤去時の注意点と違反を防ぐポイント

1. 予期せぬトラブルを防ぐための注意点
・周囲への影響を考慮
近隣住民や施設利用者へ事前に作業内容を説明し、騒音や粉じんに対する不安を解消する。
・適切な作業環境を確保
風が強い日や乾燥した環境では粉じんが飛散しやすいため、作業日の天候を事前に確認。
・作業後の空気環境をチェック
撤去後の空間にアスベスト粉じんが残っていないか、空気モニタリングを行い、安全性を確保する。

2. 違反を防ぐための管理体制の強化
・作業記録の作成と保管
撤去の流れや使用機材、処理方法を記録し、行政調査やトラブル時に対応できるようにする。
・作業員の教育を徹底
作業開始前に安全ミーティングを実施し、飛散防止策や撤去手順を再確認。
・信頼できる業者に処分を依頼
産業廃棄物処理業の許可を持つ業者を選び、マニフェスト制度に対応しているか確認する。

撤去後の処理と適切な廃棄方法

ここでは、アスベスト廃棄のルールと法規制、処分業者の選び方について詳しく解説します。

アスベスト廃棄のルールと法的規制

アスベストを含む建材は、撤去後の適切な処理が不可欠です。誤った方法で廃棄すると、粉じんが飛散し健康被害を引き起こす可能性があるほか、法令違反となるリスクもあるため、厳格なルールに従う必要があります。

1. アスベスト廃棄の基本ルール

① 廃棄物の分類と適正処理
アスベストを含む廃棄物は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」に基づき、「特別管理産業廃棄物」または「産業廃棄物」として分類されます。

・吹付けアスベスト(レベル1)やアスベスト含有の粉じんは「特別管理産業廃棄物」に該当し、厳格な処理が必要。
・レベル3の成形建材(スレート板やケイカル板など)は「産業廃棄物」に分類されるが、適切な方法で処理しなければならない。

② 廃棄物の密閉と管理
撤去したアスベスト含有建材は、飛散を防ぐために適切な方法で密閉・保管する必要があります。

廃棄物を厚手のビニール袋に二重に密封し、破れないようにする。
「アスベスト含有廃棄物」と明示し、誤って一般廃棄物と混ざらないように管理する。
保管場所は風で飛散しないように管理し、決められた期限内に処分する。

2. アスベスト廃棄に関する法的規制
アスベスト廃棄に関する主な法規制は以下の通りです。

① 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
アスベスト含有廃棄物は一般廃棄物として処分できず、適切な処理施設で処分することが義務付けられています。無許可の処理業者に依頼すると違法となるため、自治体に認可された業者へ委託することが必須です。

② 石綿障害予防規則
アスベストを取り扱う作業に関する安全管理を定めた規則で、撤去後の清掃や廃棄処理にも適用されます作業者は適切な保護具を着用し、廃棄作業時の粉じん飛散防止措置を講じることが求められます。

③ 大気汚染防止法
アスベストの飛散防止を目的とした法律で、特定の工事では有資格者による事前調査や事前の届出が必要です。適切な方法で除去し、飛散を防ぐ措置を怠ると罰則の対象となります

3. 適切な処分方法と業者への依頼

 指定の処理施設で適正に処分
アスベスト廃棄物は、自治体が指定する処分場または特定の管理型最終処分場で適切に処理される必要があります。
一般のごみ収集では回収不可のため、専門業者へ回収・処理を依頼することが必須です・

適切な処分業者の選び方

アスベストレベル3の廃棄物を安全に処理するためには、信頼できる業者を選ぶことが重要です。以下のポイントを押さえて適正な業者を見極めましょう。

1. 許可の有無を確認
産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可を持つ業者か確認。
自治体の公式リストに掲載されているかチェックする。

2. マニフェスト制度に対応しているか
処理の流れを記録・管理するマニフェスト制度を導入している業者を選ぶ
処理完了後の証明書を発行できるか確認。

3. 適切な処理設備と方法を持っているか
管理型最終処分場での適正処理が可能かを確認。
処理方法の説明を求め、不明点がないかチェック。

4. 料金体系の透明性
相場より極端に安い業者は避け、見積もりの詳細を確認。
追加費用が発生しないか事前に確認。

5. 過去の実績や評判を調べる
口コミや自治体の公表情報を確認し、トラブル歴がないかチェック。
長年の実績がある業者を選ぶと安心。

まとめ

アスベスト レベル3の撤去作業を安全に進めるには、正しい手順と十分な対策が欠かせません。「どのように作業すれば飛散を防げるのか」「違反しないためにはどうすればいいのか」と不安に感じる方も多いかもしれませんが、しっかり準備を整え、慎重に作業を進めることで、安全に撤去することが可能です。

作業前には防じんマスクや防護服を着用し、作業エリアを養生して粉じんの飛散を防ぐことが重要です。また、湿潤化処理を徹底し、できるだけ建材を破損させないように慎重に撤去することで、リスクを最小限に抑えることができます。撤去後は、専用の掃除機で清掃し、廃棄物は適切に密封して、許可を受けた処分業者に依頼しましょう。

違反を避けるためには、法律に沿った適切な処理を行い、信頼できる業者を選ぶことが大切です。アスベスト撤去は不安の多い作業ですが、正しい知識を持ち、適切な方法を実践することで、安全に対応することができます。焦らず、確実に準備を進めながら、安全第一で作業に取り組みましょう。

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