アスベスト基礎知識

サイディングとアスベスト、その使用年代と過去の建材の危険性を徹底解説!!

アスベストは断熱性や耐火性が高く、建築材料として魅力的で長年にわたり広く使用されてきました。しかし、健康への危険性が明らかになり、製造や使用方法に関し規制されてきた歴史があります。

アスベスト含有のサイディング材の使用が一般的であった時代もあり、この時代の建物がいまだ多く存在しています。そこで建物の解体・改修をする際の注意点などを詳しく知りたい人も多いのではないでしょうか。

本記事では、アスベストとサイディングの関係に焦点を当て、その使用年代と危険性について詳しく解説します。ぜひ安全な住環境を確保するために知識を深め、適切な対応をしていきましょう。

アスベスト含有のサイディングとは?

アスベスト含有のサイディングとは、セメント質原料と繊維質(アスベスト)原料を主原料とし、板状に成形した外壁材です。

アスベスト含有サイディングの特徴

アスベストは、サイディングの強度や耐熱性を向上させるために、セメントや繊維質原料に混ぜて使用されていました。

⚫︎製造期間:1960年頃から2004年頃
⚫︎おもな施工部位:外壁
⚫︎おもな使用材料:セメント、繊維質原料、アスベスト
⚫︎おもな特徴:強度や耐熱性に優れる

アスベスト含有サイディングの問題点

アスベスト含有サイディングの問題点は、大きく分けて以下の2つです。

⚫︎健康被害のリスク
アスベストは、粉塵となって吸入されると、重大な健康被害を引き起こす可能性があります。アスベスト含有サイディングは、経年劣化によりひび割れや傷が付き、そこからアスベストが飛散するおそれがあります。

⚫︎解体・撤去の難しさ
アスベスト含有サイディングの解体・撤去は、専門的な知識と技術が必要です。アスベストを飛散させないように、適切な工法や資材を用いて作業を行い、解体・撤去後の廃棄物も適正に処理する必要があります。

アスベスト含有の外壁材や天井材

アスベスト含有のサイディングには以下のものがあります。

窯業系サイディング

アスベスト含有の窯業系サイディングとは、セメントと繊維質を混合して板状に成形した外壁材のうち、繊維質にアスベストが含まれているものです。

1960年から2004年頃に製造されていましたが、2004年に製造が禁止されました

建材複合金属系サイディング

アスベスト含有の建材複合金属系サイディングとは、金属製の表面材にアスベストを混入させた外壁材です。

耐久性、断熱性、軽量性、デザイン性にも優れたサイディングですが、1990年に製造が禁止されました。

けい酸カルシウム板第1種

アスベスト含有のけい酸カルシウム板第1種とは、ケイ酸カルシウムとアスベストを原料として製造された板材で耐火性や耐水性に優れ、おもに一般建築物の天井材や壁材として使用されていました。

住宅では浴室や台所などの水回りの内装材として多く使用されていましたが、2002年には製造が中止されました。

サイディングの歴史

日本で初めてサイディングが登場したのは、1960年代のことです。当時は、アスベストを原料とするアスベスト系サイディングが主流でした。アスベストは耐火性や耐久性に優れていたため、火災や地震などの被害から建物を守るのに役立ちました。

しかし、アスベストは発がん性物質であることが判明し、日本では、2006年9月1日以降、アスベスト含有建材の製造・輸入・販売・使用等が禁止されました。

これにより、アスベスト系サイディングは製造・販売が中止され、代わりにセメント系サイディングや樹脂系サイディングなどの安全性の高いサイディングが普及するようになりました。

現在日本では、セメント系サイディングと樹脂系サイディングが主流となっています。セメント系サイディングは耐火性や耐久性に優れており、樹脂系サイディングは軽量でメンテナンスの必要が少ないことがメリットです。

アスベストの危険性と健康リスク

アスベストの危険性と健康リスクは、以下の通りです。

アスベストの危険性

アスベストは、細く長い繊維状の物質で、空気中に飛散すると、肺や気管に付着し、炎症や発がんを引き起こす可能性があります。

アスベストによる健康リスク

アスベストによる健康被害は、アスベストを吸入してから長い年月を経て発症することが明らかになっています。おもな疾病は以下の通りです。

⚫︎中皮腫:肺や腹膜、心膜などにできる悪性腫瘍です。アスベストによる健康被害の中で最も致命的な疾患です。
⚫︎肺がん:アスベストを吸入した人の肺がん発症リスクは、一般の人よりも高くなります。
⚫︎じん肺:肺の線維化によって呼吸機能が低下する疾患です。
⚫︎その他の健康被害:アスベストによる健康被害は、中皮腫や肺がん以外にも、胸膜炎や気管支炎、肺気腫などがあります。

アスベストのリスクを避けるためには、アスベストが使用されている建物や場所を避ける、アスベストの飛散する作業を行う場合は、適切な防護具を着用することが重要です。

まとめ

サイディングは、アスベストが使用されていた年代に建てられた住宅に多く使用されています。

特に2004年以前に建てられた住宅の外壁には、アスベストが含まれている可能性があるため、外壁が劣化したり、改修工事が行われたりする際には注意が必要です。

アスベストは、健康被害を引き起こす危険性の高い物質です。アスベストのリスクを避けるためには、専門業者に依頼するなど適切な知識と行動を心がけましょう。

当サイトでは、アスベスト等のアドバイス・業者紹介等、各種アドバイス行っております。
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