あなたは大丈夫ですか?アスベスト含有建材の調査・報告を怠ったり、適切な除去作業を行わなかったりした場合、罰則が科せられる可能性があります。
えっ、まさか自分が…?なんてことにならないようにしたいけど、どんなことを抑えておけばいいのかと不安に思っている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、改正アスベスト法で厳格化された罰則と、違反事例から学ぶ教訓をご紹介します。 知らなかったでは済まされない!アスベスト飛散防止対策は、企業だけでなく個人にも義務があります。この記事を読んで、安全な工事のための対策をしっかり理解しましょう。
アスベスト規制の概要
2024年現在、アスベストは原則として使用禁止です。
規制対象となる建材と作業
[規制対象となる建材]
⚫︎吹付けアスベスト
⚫︎石綿含有断熱材、保温材及び耐火被覆材
⚫︎石綿含有成形板等
⚫︎石綿含有仕上塗材(石綿が質量の0.1%を超えて含まれているもの)
[規制対象となる作業]
⚫︎アスベスト含有建材の調査・報告
⚫︎アスベスト含有建材の除去作業
⚫︎アスベスト含有建材の修繕・解体作業
これらの建材や作業に関わる場合は、必ず法律や規則を遵守し、適切な対策を講じる必要があります。
違反した場合、懲役または罰金が科せられる可能性があります。
事前調査・報告義務の内容
[調 査]
建築物や工作物に使用されている建材について、アスベスト含有建材かどうかを調査する必要があります。調査は、建築物石綿含有建材調査者または石綿調査診断士の資格を持つ人材が行う必要があります。
[報 告]
報告は、工事着手日の14日前までに行う必要があり、3年間の保存が義務づけられています。
報告対象となる工事
⚫︎解体部分の床面積が80㎡以上の建築物の解体工事
⚫︎請負金額が税込100万円以上の建築物の改修工事
⚫︎請負金額が税込100万円以上の特定工作物の解体・改修工事
違反した場合、罰金が科せられる可能性があります。
規制強化のポイント・罰則の厳格化
規制強化のポイントは以下のとおりです。
⚫︎規制対象の拡大:小規模な建築物や工作物にも規制が拡大されました。
⚫︎事前調査・報告義務の強化:調査・報告の対象となる工事が拡大されました。
⚫︎罰則の厳格化:違反した場合の罰則が強化されました。
違反者への罰則
法改正に伴い、違反者への罰則も一段と厳しくなりました。
違反事例と具体的な罰則額
[おもな違反内容]
⚫︎アスベスト含有建材の調査・報告義務の怠慢
⚫︎アスベスト除去作業の基準違反
⚫︎飛散防止対策の不備
[違反事例]
⚫︎アスベスト含有建材の調査を怠り、除去作業中に飛散させてしまった
⚫︎飛散防止対策を講じずにアスベスト含有建材の解体作業を行った
これらの事例は、実際に起こったものです。
[おもな罰則の種類]
⚫︎3か月以下の懲役または30万円以下の罰金
⚫︎6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
違反内容によって、科される罰則は異なります。
また、悪質な場合は刑事責任の対象になることもあるので、注意が必要です。
罰則強化による影響
この規制強化による影響は、主に以下の3つです。
1. 工事費用の増加
⚫︎調査・報告義務や飛散防止対策の強化により、工事費用が増加する可能性があります。
⚫︎特に、小規模な工事の場合、費用負担が大きくなる可能性があります。
2. 工事期間の延長
⚫︎調査・報告や飛散防止対策に時間がかかるため、工事期間が延長する可能性があります。
⚫︎工期がタイトな場合、影響が大きくなる可能性があります。
3. 違反リスクの低減
⚫︎罰則の厳格化により、故意による違反は減少すると考えられます。
⚫︎結果的に、アスベストによる健康被害のリスクが低減されることが期待されます。
工事関係者だけでなく、建物の所有者も影響を受ける可能性があるので注意が必要です。
違反を防ぐための対策
法令違反をしないためにも、以下のことに注意をしましょう。
法令遵守の重要性
アスベストに関する法令を守ることには、以下のメリットがあります。
1. 安全性の向上
⚫︎適切な調査・報告、飛散防止対策により、アスベストによる健康被害を防ぐことができます。
⚫︎安全な作業環境を実現することで、労働災害のリスクを低減できます。
2. 安心感の向上
⚫︎法令遵守は、企業の社会的責任を果たすことになります。
⚫︎従業員や地域住民から信頼を得られる企業になることができます。
3. 経済的なメリット
⚫︎違反による罰則や損害賠償リスクを回避できます。
⚫︎安全な作業環境は、作業効率の向上につながります。
⚫︎企業イメージの向上は、顧客獲得や人材確保に有利になります。
アスベスト法令遵守は、決して他人事ではありません。
自分たちの安全と健康を守るために、積極的に取り組んでいきましょう。
安全性の高い工事の依頼方法
以下に安全性の高い工事の依頼方法のポイントを5つ挙げてみました。
⚫︎アスベスト含有建材の有無を調査する際には、建築物石綿含有建材調査者などの資格を持った者に依頼する。
⚫︎施工計画は、所轄官庁の指導に従って作成する。
⚫︎複数の業者から見積もりを取り、比較検討する。
⚫︎工事期間中は、飛散防止対策を徹底する。
⚫︎工事完了後も、アスベストの飛散がないか確認する。
アスベストは、重篤な健康被害を引き起こす恐れのある有害物質です。安全性の高いアスベスト除去工事を行うことで、健康被害を防ぐことができます。
行政機関への積極的な相談
アスベスト除去工事を行う行政機関については、お近くの都道府県庁等にお問い合わせすることをお勧めします。
行政機関への相談のメリットとして、
⚫︎アスベスト除去工事の適切な手順や方法を教えてもらえる。
⚫︎信頼できる業者を紹介してもらえる。
⚫︎工事費用の補助を受けられる可能性がある。
アスベスト除去工事を行う際には、ぜひ行政機関に相談してみてください。
まとめ
アスベストは重篤な健康被害を引き起こす恐れのある有害物質で、アスベスト規制の強化は、アスベストによる健康被害を防ぐためには必要不可欠な対策です。
アスベスト規制違反の罰則は、アスベスト含有建材の調査・報告義務や、飛散防止対策の不備など、さまざまな違反行為に対して適用されます。アスベスト規制違反は、決して他人事ではありません。工事を行う際には、必ずアスベスト規制を遵守しましょう。
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