アスベスト基礎知識

アスベスト対策工事の流れとは?調査から工事、処分までの流れを解説!

繊維状けい酸塩鉱物であるアスベストは、以前は防音や保温断熱等の目的で積極的に建造物に使用されていましたが、健康に悪影響であることが分かり平成24年に法律上はアスベストの使用等が全面的に禁止となりました

アスベストは繊維が極めて細いため飛散しやすく、除去作業時には所要の措置を行わなければ吸引してしまう恐れがあるため、取り扱う上では難易度の高い技術と丁寧かつ正確な作業が求められます

数多くのアスベスト業者の中には、残念ながらずさんな手抜き工事を行う業者が存在するのも事実であるため、アスベスト除去工事はどのような流れで行われ、どんな手順が必要なのかを知っておくことで、誠実な対応で安心出来る施工を行う業者を選ぶことに役立ちます。

アスベスト対策とは

令和4年4月1日から労働安全衛生法に基づくアスベスト規制の改正により、建物の解体・改修工事等を行う際には、事前に建造物のアスベスト使用有無を調査する必要があり、アスベストが使用されている場合は法令遵守したアスベスト対策を行う必要があります。

解体・改修の予定はなくとも、建物の損傷や劣化により壁や天井に吹き付け材として使用されたアスベストの粉塵が飛散してしまう可能性や、予期せぬ災害で倒壊・損壊してしまい近隣へアスベスト被害が及んでしまう可能性もあるため、建物の状況に応じて「除去・封じ込め・囲い込み」等でアスベスト対策を行わなければなりません。

建造物のアスベスト対策工事の流れ

アスベスト対策に関する一連の流れは、まずアスベストの事前調査からはじまります。

アスベストを専門とした業者に事前調査の依頼・見積もりを行い、調査後は施工計画や工事に伴って必要な届出等・状況に応じたアスベスト対策工事・アスベスト廃棄物の運搬処分など多くの手順が必要となります。

必要な工程が多く内容も専門的であるため難しいと感じる方も多いですが、適切な方法で丁寧にアスベスト除去工事を行なってくれる業者を探すことに繋がるため、依頼前に一連の流れを抑えておきましょう。

事前調査

建造物の解体等の作業を行う場合には、事前に該当の建造物にアスベスト使用有無を調査し、調査結果を記録することが義務付けられています。

事前調査は建物の設計図による確認や、現地調査にて採取したサンプルを分析する方法で調査を行い、建物へのアスベスト使用有無のほか、アスベストの使用箇所や使用量、アスベスト建材の種類を事前調査で調べることができます。

作業計画の策定と届出

事前調査の結果をもとに、解体・改修作業、封じ込め又・囲い込みの作業方法や飛散を防ぐための対策方法などの内容を含む作業計画を策定します。

作業レベルに応じて所轄労働基準監督署長に届出が必要な場合があるため、必要な届出を作成し提出を行います。届出の作成等も併せて対応してくれるアスベスト工事業者を選ぶと安心です。

立入禁止の隔離養生を設置

アスベストの飛散を防ぐため作業箇所とそれ以外の箇所を隔離し、作業箇所はプラスチックシート・防炎シート・防音パネル等で囲います。

作業者以外の立ち入りは完全に禁止とし、作業者は呼吸用保護具を着用、作業場所の排気には集じん・排気装置することで作業空間を負圧に保ち、アスベストを吸引しないよう対策することが義務付けられています。

アスベスト対策工事を行う

現場の状況やアスベストレベルに応じて、適切な対策作業を行う必要があります。

アスベストレベルは粉じんの飛散しやすさによって3段階に分けられており、発じん性が非常に高いとされているレベル1は天井や壁に石綿含有吹付け材として使用されたものが多いです。次に危険性の高いレベル2は保温材や耐火被覆材・断熱材としての使用が多く、レベル3に関しては比較的発じん性が低いとされていますが、充分な安全対策を行う必要があります。

封じ込め工法

アスベスト含有の吹き付け材の上から液剤を吹きかけることにより、
外側にアスベストが飛散しないよう「封じ込める」工法です。
短期間での工事が可能なほか、施工中にアスベストが飛散する可能性も低いという
メリットがありますが、建物自体にはアスベストが残っている状態となるため、
解体工事をする場合には除去作業が必要となります。

 

囲い込み工法

該当箇所に板材などのアスベストではない素材を外側から取り付け
「囲い込み」を行うことで、アスベストを完全に密封し飛散を防ぐ工法です。
封じ込め同様、建物にはアスベストが残る状態となるため、
いずれ除去作業が必要となる可能性が高いです。

剥離工法

作業箇所を薬剤を使用し湿潤化することで、仕上塗材や下地調整材が
柔らかくなるため飛散リスクを軽減し、安全に除去な作業が可能です。
散水をする必要がなく、レベル3の除去作業で使用されることが多い工法です。

ウォータージェット工法

超高圧水を噴射することで湿潤化を行い、アスベストを除去する工法です。
剥離材等は使用せず、水圧の高い水のみ使用した除去作業となるため
環境にも優しく、安全な除去を行うことが可能です。

隔離養生の解除・清掃

除去作業時に使用した保護具や足場・工具等は、専用の容器に梱包して持ち出すことで外部へのアスベスト飛散を防ぎます。真空掃除機などを使用し入念に清掃し、アスベストが残っていないことを確認し工事完了となります。

産業廃棄物の処理

アスベスト廃棄物は一般の廃棄物とは異なるため、特別管理産業廃棄物の許可証をもった業者のみ処分を対応することができます。

除去したアスベスト廃棄物は専用の袋に二重詰めで梱包することで安全に収集・運搬され、許可を受けた最終処分場にて処理が行われます。

作業の記録と保存

施工報告書等をまとめ、所轄官公庁へ工事完了の報告を行います。

作業記録は一月以内ごとに記録を作成し、労働者が常時作業に従事しないこととなった日から40年間の保存が義務づけられています。

まとめ

飛散し吸引してしまうと人体に悪影響を与えるアスベストは取り扱いが非常に難しいため、必要な手順を慎重かつ正確に対応していく必要があります。

事前調査にてアスベストの状況や除去レベルをしっかり判断し、粉塵を飛散させないよう適切な工法で安心安全な施工工事を行うことが大切です。該当建物のアスベストレベルはなんなのか、どのような工法があるのか、どのような流れでアスベスト対策工事は進むのか、メリットやデメリットを把握し、小さな不安や疑問にも寄り添い、真摯に対応してくれるアスベスト専門業者に相談・依頼をするようにしましょう。