アスベストは、その耐熱性や絶縁性から建築や産業分野で幅広く使用されてきました。しかし、その使用に伴う健康リスクが明らかになり、徐々に使用禁止などの法改正が行われています。
これらのことを踏まえ、アスベストのリスクに関する知識や解体・改修の際の対処法について、詳しく知りたい人も多いことでしょう。
本記事では、6種類のアスベストについて徹底的に比較し、それぞれの特徴や危険性について解説します。
アスベストの基本知識
アスベストは、耐熱性・耐火性・断熱性・耐久性に優れた建材として、1950年代から1970年代にかけて広く使用されていました。
しかし、アスベストの繊維を吸い込むと、健康被害を引き起こす可能性があることが判明し、日本では、2006年9月1日以降、アスベスト含有建材の製造・輸入・販売・使用等が禁止されました。
アスベストの危険度を示す指標として、以下の3段階に分類されています。
⚫︎レベル1:発じん性が著しく高い
⚫︎レベル2:高い
⚫︎レベル3:比較的低い
アスベストは、健康に大きなリスクを及ぼす物質です。アスベストが使用されている建材を扱う際には、十分な注意が必要です。
アスベストの種類
ここでは、アスベストの種類について解説します。
アスベストの種類
アスベストは6種類に分類され、それぞれに異なる特徴があります。
⚫︎クリソタイル(白石綿)は、カナダで生産されている石綿で、耐熱性と強度に優れ、世界で使用されているアスベストの9割を占め、最も多く使用されたアスベストです。
⚫︎クロシドライト(青石綿)は、吹付け石綿や石綿セメント高圧管に使用されています。耐熱性と耐薬品性に優れていますが、有害性が高いため使用が禁止されています。
⚫︎アモサイト(茶石綿)は、吹付材や煙突断熱材として使用されていましたが、有害性が高いため使用が禁止されています。
⚫︎アンソフィライト石綿は、耐薬品性に優れ、吹付け用として使用されていましたが、2004年には生産・使用が禁止になりました。
⚫︎トレモライト石綿は、吹付け用として使用されていましたが、2004年には生産・使用が禁止になりました。
⚫︎アクチノライト石綿は、吹付け用として使用されていましたが、2004年には生産・使用が禁止になりました。
アスベストの特徴と危険性
アスベストは粉砕した場合、縦に裂けて繊維状になる鉱物です。その直径は0.02〜0.04μmと細くて硬く、空気中に飛散すると長期間残り、吸い込むと肺の奥深くにまで到達します。
また、アスベストを吸い込むと、肺や中皮に炎症や傷害を引き起こす可能性があり、その結果重大な健康被害につながることがあります。そのため以下のことに注意が必要です。
⚫︎アスベストが使用されている建物や製品に触れない
⚫︎アスベストの飛散が疑われる作業を行う場合は、マスクや保護服を着用する
⚫︎アスベストの飛散が疑われる建物や製品の改修工事を行う場合は、専門業者に依頼する
アスベストの適切な取り扱いと処分方法
アスベストが使用されている建物や設備の解体・改修工事を行う場合は、専門の業者に依頼する必要があります。
業者に依頼する際は、以下の点に注意しましょう。
⚫︎アスベストの除去作業に必要な許可や資格を有している業者を選ぶ
⚫︎作業前にアスベストの種類や含有量を調査してもらい、適切な方法で除去する
⚫︎作業後にアスベストの飛散防止対策を講じている
また、アスベストの処理は産業廃棄物として適正に処分をする必要があります。アスベストの処分は、種類や含有量、処分方法によって異なりますので許可を受けた業者に依頼しましょう。
まとめ
ひとくちにアスベストと言っても、その種類によって特徴はさまざまで、不燃・耐熱性、耐薬品性、絶縁性、耐蝕・耐久性、耐摩耗性などの性質を持ち、多くの用途に使われてきました。
しかし、アスベストの繊維を吸い込むことで健康被害を引き起こす可能性があり、アスベストの種類によって健康被害のリスクも異なります。
アスベストは、現在では使用が禁止されていますが、古い建物や設備の中には、アスベストが使用されているものがあります。アスベストの種類の違いを知り、必要に応じた対応をしていきましょう。
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