アスベスト基礎知識

築年数でわかる?アスベスト入り石膏ボードの見分け方と取り扱い方法!!

築年数が昭和45年代~61年の建物にお住まいの方は注意が必要です。この年代の建物には、アスベスト入り石膏ボードが使用されている確率が高く、アスベストを吸い込むと重大な健康被害を引き起こす可能性があります。

そのため、アスベストを安全に処理するにはどのようにすればいいのか対応に困っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、アスベスト入り石膏ボードの見分け方と適切な取り扱い方法を解説しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。

アスベスト入り石膏ボードの特徴

アスベスト入りの石膏ボードの特徴を詳しく解説します。

アスベストの性質

アスベストは、耐火性や耐熱性に優れた繊維状の鉱物です。しかし、アスベストを吸い込むと重大な健康被害を引き起こす可能性があるため、使用が禁止されています

日本では、昭和61年(1986年)に製造が禁止されましたが、昭和30年代から昭和60年代にかけて建築された建物には、アスベスト入りの建材が使用されている可能性があるため注意が必要です。

アスベスト入り石膏ボードとは

アスベスト入り石膏ボードとは、石膏にアスベスト繊維を混ぜて作られた建材です。耐火性や耐熱性に優れているため、壁や天井などに使用されていました。

アスベスト入り石膏ボードを破損したり、加工したりすると、アスベストが飛散する可能性があるので、取り扱いには注意が必要です。

アスベスト入り石膏ボードの危険性

アスベスト入り石膏ボードを破損したり、加工したりすると、アスベストが飛散する可能性があり、アスベストを吸い込むと、気管支炎やぜんそくなどの呼吸器系の疾患や重大な健康被害を引き起こす可能性もあります。

また、アスベストの粉じんが皮膚に付着すると、皮膚炎などの健康被害を引き起こす可能性もあります。

疾患によっては、アスベストを吸い込んでから10年~20年程度の潜伏期間を経て発症することもあるので、注意が必要です。

アスベスト入り石膏ボードの製造時期と年代分布

アスベスト入り石膏ボードの製造時期と年代分布について詳しく解説します。

アスベスト入り石膏ボードの製造時期

アスベスト入り石膏ボードは、昭和30年代から昭和60年代にかけて製造されていました。

日本では、昭和61年(1986年)に製造が禁止されましたが、昭和30年代から昭和60年代にかけて製造された建物には、アスベスト入り石膏ボードが使用されている可能性があります。

アスベスト入り石膏ボードの製造時期を推定する方法としては、以下のようなものがあります。
⚫︎建物の竣工年や改修年から推定する
⚫︎石膏ボードの表面に記載されている製造年月日から推定する
⚫︎石膏ボードの材質や厚みから推定する

アスベスト入り石膏ボードの年代分布

アスベスト入り石膏ボードは、昭和30年代から昭和60年代にかけて製造されていました。日本では、昭和61年(1986年)に製造が禁止されたため、それ以降に製造された建物にはアスベスト入り石膏ボードが使用されていないと考えられます。

アスベスト入り石膏ボードの年代別の使用量は、以下のとおりです。
⚫︎昭和30年代:1%程度
⚫︎昭和40年代:2%程度
⚫︎昭和50年代:5%程度
⚫︎昭和60年代:10%程度

昭和30年代から昭和40年代にかけては製造量は比較的少なく、主に公共施設や工場などの建物に使用されており、昭和50年代から昭和60年代にかけては製造量が増加し、一般住宅やオフィスビルなどの建物にも使用されるようになりました。

製造量は昭和30年代から徐々に増加し、昭和45年から昭和55年頃にかけてピークを迎えました。その後、製造量は減少し、昭和61年(1986年)に製造が禁止されました。

アスベスト入り石膏ボードの見分け方

アスベスト入り石膏ボードの見分け方について、2つの方法について解説します。

目視によるアスベスト入り石膏ボードの見分け方

アスベスト入り石膏ボードは、目視で判断することは非常に困難です。しかし、以下の点に注意することで、ある程度の判断をすることができます。

石膏ボードの表面に製造年月日が記載されている場合があり、昭和30年代から昭和60年代にかけて製造された石膏ボードは、アスベスト入りである可能性が高いと考えられます。

また、アスベスト入り石膏ボードは、一般的な石膏ボードよりも材質が硬く厚みがあり、表面には細かな模様が入っている場合があります。

目視による判断はあくまでも参考程度でしかないため、アスベスト入り石膏ボードかどうかを正確に判断したい場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。

検査によるアスベスト入り石膏ボードの見分け方

アスベスト入り石膏ボードかどうかを正確に判断するには、検査を行う必要があります。検査には、以下の2つの方法があります。

⚫︎蛍光X線分析(蛍光X線分析法)
石膏ボードに蛍光X線を照射し、アスベストの含有量を測定する方法で、比較的簡易にアスベストの含有量を測定できる方法です。しかし、アスベストの含有量が少ない場合は、正確に測定できない場合があります

⚫︎マイクロスコープ観察(マイクロスコープ観察法)
石膏ボードの断面をマイクロスコープで観察し、アスベストの繊維を確認する方法です。アスベストの繊維の形状や大きさを確認できるため、正確な判断が可能です。しかし、検査には時間と手間がかかります

アスベスト入り石膏ボードの適切な取り扱い方法

アスベスト入り石膏ボードの取り扱いについて、撤去と封じ込めを詳しく解説します。

撤去によるアスベスト入り石膏ボードの取り扱い方法

アスベストの繊維は非常に細く、空気中に飛散すると健康被害を引き起こす可能性があるため、適切な知識や技術を持った専門業者に依頼することをおすすめします。

アスベスト入り石膏ボードの撤去作業は、以下の手順で行われます。
1.養生
作業前に、周囲の物を養生して、アスベストの飛散を防止します。
2.石膏ボードの湿潤
飛散を防ぎながら安全にアスベストを処理する為に専用の液剤を使用します。
3.石膏ボードの撤去
細心の注意を払いながら作業を実施します。
4.石膏ボードの梱包
石膏ボードをビニール袋などで密封して、アスベストの飛散を防止します。
5.搬出
アスベスト入り石膏ボードを密閉されたコンテナなどで搬出します。
6.処分
アスベスト入り石膏ボードは、専門の処理施設で適切に処分されます。

撤去作業を行う際は、作業前に作業手順や安全対策について専門業者から十分に説明を受け、作業中は作業着やマスク、ゴーグルなどの保護具を必ず着用します。作業後は、作業場所を十分に清掃します。

囲い込みによるアスベスト入り石膏ボードの取り扱い方法

封じ込めとは、アスベスト入り石膏ボードをそのままの状態で、空気中に飛散しないように覆い隠したり密閉したりする方法です。封じ込めを行うことで、アスベストの飛散を防止し、健康被害を未然に防ぐことができます。

封じ込めによるアスベスト入り石膏ボードの取り扱い方法は、以下のとおりです。
1.周囲の物を養生する
作業前に、周囲の物を養生して、アスベストの飛散を防止します。
2.石膏ボードを覆い隠す
アスベスト入り石膏ボードを、ビニールシートやコンパネなどで覆い隠します。
3.石膏ボードを密閉する
アスベスト入り石膏ボードを、シーリング材などで密閉します。

囲い込みは、アスベスト入り石膏ボードの取り扱い方法のひとつです。

詳細な情報は専門業者に問い合わせしましょう。

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まとめ

アスベスト入り石膏ボードは、日本では昭和30年代から昭和60年代にかけて製造されていました。そのため、昭和30年代から昭和60年代にかけて建てられた建物には、アスベスト入り石膏ボードが使用されている可能性が高いと考えられます。

築年数でアスベスト入り石膏ボードの可能性を判断することはできますが、判定は難しいので専門家に依頼して、検査を行うことがおすすめです。

また、取り扱いについても専門知識や技術を持った、経験豊富な業者に依頼し、適切な対応に努めましょう。

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